ここ数年、フリーランスの数が急増しています。あまりに多いせいか、「フリーランス過多」を懸念する声も少なくありません。なぜここまでフリーランスが増加したのでしょうか。考えられる理由は3つあります。
1つ目は「柔軟で多様な働き方が推進されたこと」です。国は2018年、少子高齢化の加速による労働力不足を解消するため、育児や介護と仕事の両立を支援する「働き方改革関連法」を施行しました。この法では多様で柔軟な働き方を実現するため、「長時間労働の是正」と「雇用形態にとらわれない公正な待遇を確保」することを推進しています。その結果、多くの企業でテレワークやフレックスタイム制が導入され、フリーランスの概念も広く浸透するようになりました。
2つ目は「副業や兼業の解禁」です。最近、副業や兼業を認める企業が増えていますが、これは前述の「働き方の多様化」に企業が対応した結果です。企業が副業や兼業を解禁したことで収入が不安定になるリスクを回避できるとして、フリーランスの増加を後押ししたと考えられています。
3つ目は「フリーランスが働きやすい環境が整っていること」です。多くの企業がフリーランスの増加を見越して様々なサービスを提供しています。クラウドソーシングサービスやコワーキングスペースがその代表例ですが、以前よりも働きやすくなったことでフリーランスを目指す人が多くなったようです。
フリーランスは所属する会社がないため、中間コストがかかりません。クライアントが同じ条件で仕事を依頼した場合、フリーランスのほうが得られる報酬が多いため、会社員よりも年収が高くなる可能性があります。厚生労働省の職業情報ネットワーク(O-NET)によると、会社員のソフトウェア開発エンジニアの平均年収は511.9万円でした。職種によって単価や中間値などの違いはありますが、フリーランスの平均年収は780万円~1,020万円くらいなので、会社員の収入を上回ることは間違いありません。
自分で選択できることも大きなメリットです。エンジニアにとって技術や知識は自分の仕事や収入を確保するための財産ですが、フリーランスは自分で案件を選べるので、案件に必要なスキルや知識を自分で選択して学ぶことも可能です。
また、会社員よりも働き方の制約が少ないのもフリーランスの魅力の1つです。短時間勤務やリモートワークなど様々な働き方が可能なので、自分らしい働き方を追求できます。
フリーランスが増加し続けていますが、飽和状態なのかといえばそうではありません。労働人口の減少や企業のDX化などによりエンジニア自体が不足している状況です。深い知識と豊富な経験を持つフリーランスは特に需要が高く、様々なところから求められています。
フリーランスという働き方が注目されている理由
AIエンジニアは様々な分野で活躍している
不安定さが気になるフリーランスの将来性は?